「重い」
アメリカの頭が膝に乗ってから間髪入れず、イギリスは不機嫌な声で言った。
「お前、頭までメタボになっちまったんじゃねぇの?」
「そんなことないぞ! イギリスが貧弱なだけだよ」
アメリカは反論するも、決してイギリスの膝から頭をどけようとしない。
「うん、君の脚って肉があまり付いてないな」
「だったら膝枕なんかしても寝心地悪いだけだろ」
イギリスは、意地悪く脚の位置をずらして膝上の頭を落とそうとしたが、アメリカは咄嗟に、片腕でイギリスの脚を押さえてしまった。
「おいコラ、放せ」
「――そんな事ないぞ。だってイギリスの膝だからね。このまま昼寝したいぐらいだよ」
「なな、何言ってんだばかぁ! 身動きとれねぇこっちの身にもなれ!」
アメリカはイギリスの顔を横目でちらり、と見て笑い声を漏らした。
イギリスの顔色は、ちょっと可哀想なぐらい真っ赤だった。
- 了 -
|